耐熱ケーブルについて

耐熱電線・ケーブルは、飲食料品機械、産業用オーブン、工業用炉、鋳物工場及び工業用プロセス用機器などのアプリケーションでは、低温~高温までの温度範囲で連続可動する場合もあります。

こうした環境条件の場合、ケーブルシースで汎用性の高いPVC以外のシース材料を使用したケーブルが必要となります。
ここでは、シリコンや架橋ポリマーをベースにしている電線・ケーブルについて説明します。
シリコンや架橋ポリマーベースの絶縁体・シース材を使用した電線・ケーブルは、ハイエンドの耐熱電線・ケーブルと汎用PVC電線・ケーブルとの中間に位置する耐熱クラスです。

(1) シリコン/架橋ポリオレフィン製電線・ケーブル

①絶縁体・シース
一般的に電線・ケーブルの熱性能と電気特性/機械特性のバランスを取る事は非常に難しいとされています。動作温度範囲を拡張するため、ケーブル構成を変更すると、ケーブルの電気的又は機械的特性が低下する場合があります。
しかし、シリコン/架橋ポリオレフィン材の場合、バランスの取れた特性を実現することができます。

どちらの材質も、連続使用が可能な温度範囲を大きく拡張することができます。
以下にPVC製とシリコン製電線・ケーブルの温度比較を表します。

使用可能な温度範囲
一般的なPVC: -40℃~+90℃
シリコン: -50℃~+180℃


②導体
導体材質も高温環境では、重要な要素です。より高温な環境では、銅線の腐食を防止するためメッキを施します。
シリコンや架橋ポリオレフィン製の電線・ケーブルでは、錫メッキ銅線が使用します。


③シールド
シールドオプションによって、厳しい産業環境下でもケーブルにEMC保護をつけることができます。シールドの有効性は、ノイズの発生する電気機器又は通信機器や製造工場などノイズの多い環境で、以下に信号強度を維持できるかによって決まります。
シースの材質がケーブルの全体的な柔軟性に影響を及ぼすため、直接的に高温には関係しないものの、シールドは熱環境向けの設計の際に重要な要素となります。この機能的バランスはÖLFLEX® HEAT125シリーズ・180シリーズ製品で実現しています。どちらのÖLFLEX® HEATケーブルも編組被覆率が85%となっています。


④メリット・デメリット
現在のケーブル技術では、熱性能を向上しても、電線・ケーブルの電気的特性に影響はなく、また機械的特性への影響も小さく、むしろ、特性が向上します。
以下にPVC製と比べた際、シリコン/架橋ポリオレフィン製の電線・ケーブル特性のメリット・デメリットを表します。


【メリット】
•同等の柔軟性 ※但し、ポリオレフィン製は若干柔軟性に欠けます。
•耐摩耗性の向上(架橋ポリオレフィン)
•薬品耐性の向上
•同等の耐火性能
•ハロゲンフリー


【デメリット】
•高コスト
•耐摩耗性(シリコン ※EWKF材は耐摩耗性)
•炭化水素系に弱い

(2) シリコン製耐熱ケーブル ÖLFLEX® HEAT 180シリーズ

ÖLFLEX® HEAT 180シリーズは、高温、高電圧及び柔軟性のある配線が必要なアプリケーションでの使用に適しています。またシリコンケーブルは、耐UV性、耐加水分解性、耐油性及び化学薬品耐性、また植物性油脂及び動物性油脂に耐性を持っています。そのため、シリコンケーブルは金属加工アプリケーション、またその優れた化学薬品耐性から工業、自動車、オートメーション産業でも一般的に使用されています。

ÖLFLEX® HEAT 180シリーズ(180 MS、180 SiHF及び180 H05SS-F EWKF) は、-50℃~+180℃の温度範囲を持ち、急激な温度上昇にも対応できます。こうした理由から、鋳物工場、製鉄所、ガラス工場及びオーブン機械に最適です。またこれらのケーブルは非常に柔軟性が高く、曲げ半径=ケーブル外径X4と取り回しに優位です。また、北米向けULレコグニション認証取得シリーズもラインアップしています。

 

【ÖLFLEX® HEAT 180 MS/180 C MS】:

ÖLFLEX® HEAT 180 MS/180 C MS

ULレコグニション、耐UV、ハロゲンフリーのシリコンベースの耐熱ケーブル。
また、銅編組シールド付きバージョンも展開し、EMC対策にも有効。

【ÖLFLEX® HEAT 180 SiHF】:

ÖLFLEX® HEAT 180 H05SS-F EWKF

導体クラス5にする事で、柔軟性を向上させたハロゲンフリーの耐熱ケーブル。

0.75㎟~16㎟までワイドレンジで製品をラインアップ。

 

【ÖLFLEX® HEAT 180 H05SS-F EWKF】:

ÖLFLEX® HEAT 180 H05SS-F EWKF

◁HAR▷規格の認可を受けたハロゲンフリーの耐熱ケーブル。

耐熱に加え、シリコンの弱点である、耐メカニカル性を向上。

(3) 架橋ポリオレフィン製耐熱ケーブルÖLFLEX® HEAT 125シリーズ

架橋ポリオレフィンは、熱及び高圧の組み合わせによるポリオレフィン化合物にクロスリンクを施した材質です。架橋ポリオレフィンケーブルは優れた電気特性があり、耐腐食、耐摩耗性、溶剤や作動油に対しても耐性をもっています。

ÖLFLEX® HEAT 125シリーズ(125 MC/ 125 C MC及び125 SC)は-55℃~+125℃(+145℃/3h)の温度特性を持ち、高難燃性、耐摩擦性及び耐引裂性も持ち合わせています。また、耐熱性に優れており、曲げ半径が小さいため、様々な照明器具、例えばランプや暖房器具、配電盤などの内部配線に使用できます。

 

【ÖLFLEX® HEAT 125 MC/125 C MC】:

ÖLFLEX® HEAT 125 MC/125 C MC

耐熱125℃、3時間であれば、最大+145℃までの耐熱性能の高難燃性及びハロゲンフリーケーブル。また、銅編組シールド付きバージョンも展開し、EMC対策にも有効。

 

【ÖLFLEX® HEAT 125 SC】:

ÖLFLEX® HEAT 125 SC

耐熱性、耐摩擦性、耐引裂性の電線。優れた耐火性及び広い温度範囲を持っています。

 

(4) 耐熱ケーブルのメリット

通常、厳しい温度環境のアプリケーションと優れた耐熱ケーブルを必要とするアプリケーションとでは、多くの耐性要求が重複する場合があります。

それを考慮して、シリコン及び架橋ポリオレフィンから作られたケーブルシース付きのÖLFLEX® HEATケーブルはすべて、以下のメリットがあります。

【ハロゲンフリー】:

公共区域での安全性に関する要求が高まっていることを受け、設置業者は火災の際に一般人に危険のないケーブルを設置することを推奨されています。

その点、ÖLFLEX® HEATケーブルはハロゲンフリーであるため、ハロゲン製品を燃焼する際に放出される有毒ガス及び腐食性煙霧を防ぐことができます。そのためÖLFLEX® HEATケーブルは、事故時の健康面及び環境面から安全な選択といえます。

【難燃性】:

産業界の環境では、油の曝露時間、液量、油及びケーブル本体に掛かる周辺温度など製品に大きな影響を及ぼします。しかし、シースが油のダメージへの耐性が高いほど、劣化することなく長い間使用することができます。すべてのÖLFLEX® HEATケーブルは、高温アプリケーションに必要な耐油性を満たすように設計されています。

【低発煙性】:

ÖLFLEX® HEATケーブルが燃焼した際に放出される煙は煙密度が低いため、火災が発生した場合、より安全に簡単に非難することができます。

(4) その他耐熱アクセサリ

SKINDICHT® SHV-M FKM

SKINDICHT® SHV-M FKM

【SKINDICHT® SHV-M FKM】

  • +200℃まで
  • ニッケルメッキ真鍮
  • シーリングコーン:FKM
  • O-リング:FKM
  • 耐油性、耐溶剤性及び化学薬品耐性
  • 高ストレインリリーフ
  • 防水性

 

SKINDICHT® CN-M

SKINDICHT® CN-M

【SKINDICHT® CN-M】

  • +200℃まで
  • ニッケルクロム鋼
  • シーリングコーン:FPM
  • O-リング:FPM
  • 耐油性、耐溶剤性及び化学薬品耐性
  • 耐腐食性及び耐海水性
  • 高い機械的ストレス向け
SILVYN® AS

SILVYN® AS

【SILVYN® AS】

  • +200℃まで
  • 亜鉛メッキ鋼
  • 耐圧性
  • フレキシブルケーブル
SILVYN® Steelケーブルチェーン

SILVYN® Steelケーブルチェーン

【SILVYN® Steelケーブルチェーン】

  • ヘビーデューティ
  • 極端なサイズ及び極端な荷重アプリケーションに拡張可能
  • 厳しい環境下での機械としての耐性及び耐腐食性