ケーブルの低キャパシタンスについて

キャパシタンス(静電容量)は、コンデンサなどで知られているように、電気エネルギーを蓄える能力を意味します。

ケーブルにおいては、キャパシタンス(静電容量)の小さいケーブルは長距離でも使用でき、同じ長さの標準ケーブルよりも伝送損失が少ないというメリットがあります。

電気エネルギーを溜めず、かつ伝送損失が少ない「低キャパシタンス」能力のあるケーブルかは、絶縁体の材質によって大きく左右されます。

低キャパシタンスに優れた絶縁材の一つに純粋な空気があります。しかし、空気を絶縁体として使用し、接触せずに裸撚線銅導体を作ることは技術的に不可能なので、絶縁体には様々なプラスチックが使用されます。

空気の比誘電率が1であるのと同様に、ケーブル技術で使用される各絶縁プラスチックは固有の比誘電率を持っており、特定の周波数及び周囲温度で測定されます。

図2.6-1 キャパシタンスと比誘電率・ケーブルパフォーマンスの関係

つまり、ケーブルとしては、「低キャパシタンス」はケーブルパフォーマンスに優れている事になります。特に、データ伝送や、サーボモータ動力伝送においては、重要な選定基準になります。


参考として、表2.6-1で一般的な比誘電率比較について表します。

表2.6-1比誘電率比較表

優れた絶縁能力の空気の比誘電率1に対して、PEは約2.3と非常に低い比誘電率のため、イーサネット、LAN、BUSや同軸ケーブルなど、重要なデータ等を伝送するデータケーブルの絶縁体などに使用されます。

小さな気泡や水泡が封入する発泡PE(ポリエチレン)を使用したケーブル

また、伝送能力をさらに向上させる為、PE絶縁材に小さな気泡や水泡が封入する発泡PE(ポリエチレン)を使用するケーブルもあります。(図2.6-1)

 

一般的に、表2.6-1で表す通りPVCは3.5から6.5の比誘電率に対し、最大7.0の比誘電率のPUR(ポリウレタン)や最大9.0のクロロプレンゴム等のエラストマーなどは、データ通信ケーブル用の絶縁体には適しません。

パワーコントロールケーブルに使用される場合も、最適な絶縁能力を発揮するため、比較的厚型の絶縁体が必要となります。